筆頭に挙げるなら、
やはり、この曲かと。
定かには
覚えていないが、
20代の一時期、
この曲だけを
支えにして
生きたことがある。
何か、
アルバイトをして、
ハイになって半年くらい
自宅で療養していたのだ。
ほとんど寝たきり
状態だった。
本を読むことすら
出来なかった。
そう言う時に、
父がフルトベングラーの
「足音付き」の第九の
CDを買ってきてくれた。
とにかく聴いた。
この曲だけを
生きる支えにして。
数百回聴いた。
この曲無かりせば、
今の私はない。
回復してから、
ロマンロランの
「ベートーヴェンの
生涯」を読んだ。
勇気づけられた。
「人間よ、
汝自身を救え」
とのベートーヴェンの
言葉が胸に響いた。
時を経て、
今の私は自分自身を
救うことが出来た。
振り返ってみると、
様々な人達、
様々な書籍、
様々な音楽に
救われてきたのだな、
としみじみ想う。
決して、
独りで戦ってきた
のではなかった。
今は、
全ての出逢いに
感謝している。
今は亡き人達も
含めて。
